ゼロの使い魔 ハルケギニア南船北竜
フネと船についての作者の戯言




 原作内では謎だらけのフネや風石機関について、思うところをつらつらと記してみたいと思います。
 また本記事が、普段にもまして大嘘と矛盾で彩られた記事であることをお含み下さい。

 ……というか、意図的に無視している要素が少なからずあります。

 使われた風石は、砂になるのか灰になるのか、はたまた消えるのか?
 海上だと切り返しによって風上に進むことは可能でも、空中で風を動力に使用して風上に進むには、そのままでもよいのか?
 風石機関の技術的な位置づけはどのあたりで、量産は出来るにしてもその製造費用や特殊性、扱い方、維持管理の方法その他はどうなっているのか?
 風石の値段と機関出力当たりの消費量または航続距離あたりの消費量ぐらいは決めておかないと、運用益の計算が不可能なんじゃないか?
 そもそも、この記事を表に出す事自体が墓穴なんじゃないのか?

 全てを考えて書くよりも、描写に必要のない部分は切って捨てた方がいいのですが、考えることそれ自体は嫌いではありません……。


■風石機関

 風石機関は、魔力が込められた炉内に風石を放り込むと、反応して風の魔力を放出する魔力装置である。それを受けた魔法装置が浮力を産み、風石機関全体を持ち上げようとする。これを浮力源としてフネを空に浮かせる為に、機関室は構造に大きな強度を持たせてある。このため、小型船では船体上に上部構造物として設置することも不可能ではなかったが、大型船では下から支えるだけでは構造が持たないという強度上の問題もあり、特に軍艦では、被弾することを考慮に入れて主機関は船体内部の上部砲甲板付近に設置することが多い。
 小型の船に使う一番小さな物は1メイル立方ほどの移動式発電器程度の大きさだが、大型の物は平屋の一軒家に匹敵する物もある……かもしれない。
 小型船でも、バランスの問題で最低前後に二カ所は設置される。

■フネと船の違い

1)フネ

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 重心は船体中心線上かつ風石機関よりも下に位置し、なるべく船体の中央に寄せることで、機動性(≠速度)を確保するように作られている。
 軍艦では被弾による破損を考慮し、また、上下動による回避性能の向上を狙って、想定される満載時の重量を大きく上回る出力の風石機関を搭載することが普通。
 商船では、重量物運搬が目的でもない限りは、当然ながら船体価格や経済性を重視してある。


2)両用船舶

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 重心は水上専用船同様に転覆の危険を鑑みて、船底部に近い位置に置かれる。このために、空中専用のフネよりもより多くのバラストを必要とする。
 また、船体下部は当然ながら水密構造が要求されるために、砲門を設けることが出来ない。その代わり、水上航行中は風石の消費量が抑えられる、または不要になるため、航路上に海があれば飛躍的に航続距離を伸ばすことが可能。
 商船では積み荷自体にバラストをさせる事も多いが、場合によっては着水しての荷役作業時にも風石機関を作動させておかねば、浮力による船体の押し上げによって転覆する危険もある。


■空中船舶を両用船に改造するためには

1)船体の水密構造化
 船体を水密化しないと、当然ながら船体内に浸水してしまうので絶対に必要。下部の砲門や出入り口などとともに、水圧も考慮しなくてはならないので、単に穴を塞げばよいという話ではない。
 軍艦ならば、喫水の関係で最下層の砲甲板を(場合によってはその上も)諦めても、改造して両用船舶とした方がよいのかどうか、十分な検討が必要である。

2)風石機関も含めた重心位置の再計算と調整
 重心位置が空中航行に適した位置で設計されている場合には、重心を下げる必要がある。
 バラストの追加による重心の引き下げは効果が高いものの、必要のない重量物を常に抱え込むことにもなるので、運動性、速度ともに落ちてしまうことになる。
 特に運動性を重視するフリゲートの場合、問題になると思われる。

3)海上航行に支障ある構造の撤去および改造
 ヴュセンタール号のように主帆が横マストであったり、オストラント号のような翼とプロペラがあるフネの場合、そのまま海上航行をすることにはかなりの問題がある。


 などなど……。
 気分が向けば追記などをしてみたいと思います。